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【企業紹介を更新】アールエスアイの逢坂社長にお聞きしました。

  • 今回は、通信ネットワークに詳しい逢坂さんにお越しいただきました。
    彼は、大手電気メーカーでUNIXのワークステーション開発を担当されていました。平成13年に地元徳島で独立開業をされ、ネットワーク構築、運用サポート、システム開発等を県内外から広くされています。個人的には釣りの師匠であり、仕事では良きパートナーです。
    社長インタビューというとどうしても自己啓発的な方向になってしまいますが、そういう話はご勘弁してほしいとのことなので、 少々私の苦手としている技術的な話題を中心に質問したいと思います。

    日時:10月22日 13:00から14:30
    場所: シー・エム・エス・アソシエーツ株式会社

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    有限会社アールエスアイ
    取締役  逢坂  好男  (Yoshio Osaka)
    徳島県鳴門市出身。

    資  格
    第一種情報処理技術者、電気通信主任技術者(伝送)、工事担任者(デジタル一種/アナログ一種)

多田:

逢坂さんは一人で数日掛けて登山に行かれたり、天体観測のボランティアに参加されたりと、まぁ自然が大好きな方です。 最近、仕事を放り投げ、日食をご覧に中国にいかれたそうですが?

逢坂:

失礼な、放り投げはしませんよ。 でも日食はバッチリ見えました。
昼間なのに急に暗くなる、蒸し暑いのに急に涼しくなる・・・。
意外性の連続・・・。あの感動・衝撃は人間を変えます。
地球上の生物は太陽で生かされているんだなぁと謙虚な気持ちなります。
登山でも、ハラハラすることがありますが、生きている限り、一つでも多くの自然を体感したいと思います。
御陰さまで、儲けたお金は、ほとんどそちらに投資しますので、お金がたまりません(笑)

多田:

森信三の言葉をかりれば「人生二度なし」「一日は一生の縮図なり」といったところでしょうか。 うらやましいですね。
ところで、種子島のロケットの打ち上げも凄い感動するみたいですよ。
空を切り裂く衝撃音、光、もくもくと上がる雲・・・。
本場フロリダでもいきましょうか? 

逢坂:

NASAに知り合いいますか? (笑)

多田:

知り合える程の教育を受けてません。申し訳ございません。
さて、話はもどりまして、逢坂さんは、どちからといえばネットワークの裏方のお仕事をされていすが、何か大きな出来事・事件はありますか。

逢坂:

今、地デジのCMとか広報をよく観かけますが、実は、インターネットの世界でも大変革がなされます。しかも時期的にはあと約2年後です。
現在の通信規約(プロトコル)は、IPバージョン4(IPv4)と呼ばれるものですが、中国・インド等の新興国のNet需要が急増して、IPv4で使用できるIPアドレス(32ビット)を使い切ってしまうのです。
これが、アドレスの長さが128ビットのIPバージョン6(IPv6)に変更されます。
2の128乗というほぼ無限大といえるIPアドレスを利用できるようになります。
IPv6のメリットとして、「セキュリティー」「P2P 通信と双方向性」が上げられます。

多田:

P2P 通信と双方向性とは?

逢坂:

P2P 通信とは、中間の機器に縛られることなく、末端の機器同士が自由に通信できる機能です。
双方向性とは、2つの通信機器のどちらからも通信を開始できる機能です。
IPv4アドレスの不足により、NATが蔓延し、現在のインターネットは両方の機能を失っています。
双方向性が失われた一方向の世界では、たとえばクライアントからサーバにはアクセスできますが、サーバからクライアントにはアクセスできません。 IPv6によって、これまでの制限された垣根がとれることにより、新しいアプリケーションの開発が格段に進むでしょう。
すでに、自宅のネットワークに接続されたビデオレコーダやエアコンを、外出先からインターネット経由で操作するようなことができるようになっています。

多田:

私なんか、何かますます管理・監視されそうな気がします(笑)
逢坂さん、ほんとはデメリットを喋りたくてムズムズされているのでは。

逢坂:

実は、IPv6にすでに対応している企業もありますが、具体的な対策をなされていないところがほとんどだと思います。
私にとっては、地デジと同じぐらい大きな出来事だと思うのですが、紹介しているのは一部の専門紙・サイトで、ほとんど方は知らないのではないでしょうか。
IPv4と IPv6は直接通信できませんので、混在した環境はいろいろと問題がおこりそうです。
IPv6に合わすとなると、昔のルーター・プリンターなどのネットワーク機器をお使いの方は、たぶん、ある部品を増設するか、買替えになると思います。
Windows でIPv6を利用できるのは、2000(Technology Previewのみ提供、無保証)、 XP(netshコマンドにより)、Vista以降(標準サポート)。MacOS Xでは10.2(Jaguar)から完全対応。Linux・FreeBSDは、IPv6に対応済です。
また、DTPとか経理用のソフトでよくみかけますが、IPアドレスを認識するものは、IPv6対応のバージョンアップが必要ですね。
自社でサーバーをお持ちの方はいろいろと大変だと思います。
そうそう、CATV経由でインターネットされている場合は、おそらくIPv4を使っているでしょうから、近々アナウンスがあるかもしれません。

多田:

プロトコルの勉強するのにはいい機会でしょう。
でも、中小企業ならともかく、行政とか大企業でパソコン数百台のIPアドレス を入れ替えるのは堪りません。
技術の進歩も考えようです。
印刷会社の現場責任者をしていた時、一番困ったのは、DTP用ソフトのバージョ ンアップでした。 パソコン側のソフトならまだしも、製版のリップ・出力関連を対応するのに結構金額が掛かります。
例えば、PDFのバージョンを統一化しようと「PDF X-1a」(acrobat4準拠)が決められ、業界はこれに収まりかけたと思っていましたが、最近になって、透明効果・レイヤーを考慮された「PDF/X-4」がでてきました。
「また金が掛かる・・・いい加減にしいや!」と言いたくなります。
ところで、2年後ということですが、一斉に変わるのですか。

逢坂:

一斉に変われば大パニックになります。 2年というのは、現在のIPv4アドレスを使いきってしまうまであと約2年という意味です。
それ以降は「グローバルIPv4アドレスをください」と言われても無いのでどうしようもありません。
只、通信機器メーカーの動きを見てみますと、現況ではまだ IPv6にするメリットよりもデメリットの方が大きいので、個人や規模の小さな会社は、今すぐ変更しなくてもよいと思っています。
IPv6が主流になり、企業からいろんなサービスが提供され、IPv6にするメリットが大きくなってからでしょう。あと2年のうちにそうなってくれるといいのですが... IPv6対応のルーターはまだ結構お高いですしね。
それまでに利用する側も勉強しておかないといけませんね。

多田:

それから1時間、逢坂さんは、目をギラギラさせながら、通信についてご説明をいただきました。これからもいろいろとご教授をお願いしたいと思います。
ありがとうございました。
最後に、セミナーによく使われる言葉を紹介したいと思います。

最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である。
ダーウィン

(次回は5月予定)